「ハッと気づいた」
「なに?」
「なぜ、『嫌・古代』という価値観が存在するのか。なぜ過去の自分は『嫌・古代』だったのか。なぜ今は違うのか。その理由に仮説ができた」
「それはなんだい?」
「古代ヒロイン説だ」
「お笑いかよ」
「そうでもない」
「えっ?」
物語構造的な古代 §
「古代のポジションは実はヒロインだったのだ。そして理知的な島が男性的だ」
「森雪は?」
「だから、古代はひたすら森雪とすれ違い続ける。古代が既にヒロインなので、ヒロインとは上手く合わないからだ」
「たとえば?」
「ヤマト1974では最終回まで深い関係になれない」
「うん」
「さらばでは森雪を置いて宇宙に出てしまう」
「森雪が慌てて追ってくるわけだね」
「しかも途中で死んでしまう」
「ひ~」
「まあその調子で、古代はひたすらヒロインを避け続ける」
「他に例は?」
「復活篇になると奥さんは行方不明で娘は地球に戻る。真帆はすぐ第3艦橋に行っちゃう」
「古代のヒロインとしての属性とバッティングしないわけだね」
「そしてゴルイやパスカルに惚れ込まれてしまう」
「ひ~」
「であるから古代進は設定上男でありながらヒロインの属性を持つという特異性を持つ。そこが古代の可愛さだ」
「それで?」
「でも、そこは決定的に男性的ヒーローらしくない側面も持つといえる」
「えっ?」
「だからさ。戦闘班長古代進を戦隊のレッドだと思うと、肩すかしなんだよ」
「なんちゅう喩えだ」
「戦隊のレッドとして振る舞わない古代は、『ヤマト最大の弱点』に見える。見る人によってはそう見える。というか、子供時代の自分もそう見えた」
「そこか!」
「そうだ。それが『嫌・古代』の遠因という仮説だ」
「では、『嫌・古代』ではない側の解釈はどうなるんだい?」
「オカマのミルの再肯定、ディンギルの少年にスカートをはかせる遊び(これはまさに遊びだ)、森雪以外の女性乗組員の女装説を経由して、ヤマト世界の性別の流動性を一度肯定してしまうと、意外と古代=ヒロインで十分にはまると気づいた。だから、それはそれでオーケーだ」
「古代が理屈になっていない理想論をこねても?」
「それは女性的な振る舞いであり、男なら馬鹿野郎だが、女なら許容されてしまう」
「ひ~。放射能除去装置をサーシャの船に積んでこないスターシャが肯定されてしまうのと同じだね」
オマケ §
「というわけで、ヤマト2199の古代は、非常に男性的だ。それが『嫌・古代』解釈の必然的な結末だ。男性的なヒーローにはハーレムが必要だ」
「波瀾万丈が美女2人を背負って戦うようなものだね」
「そう。だから女性キャラが増える。2199では増える。存在感を持って増える。これも必然」
「復活篇の第3艦橋ガールズが、ファン側で強引に存在感を引き出しているのとは違う訳だけ」
「そうだ」
オマケ2 §
「そこで考えた。古代がヒロインなら、意外と(GAの)エンジェル隊に入っても上手くやっていけるのでは無いか」
「えー」
「突然、場違いな理想論の演説をぶちあげるキャラ。十分にお笑いの適性がある」
「笑えるのかよ」
オマケスカーレット §
「そこで考えた。古代がヒロインなら、意外と(クラウドベースの)エンジェル隊に入っても上手くやっていけるのでは無いか」
「どんな名前になるのよ」
「古代だけにエイシェント・エンジェル」
「直訳かよ」
「でも意外とコンチェルト・エンジェルっぽい名前ではまるぞ」
- エイシェント・エンジェル
- コンチェルト・エンジェル
「似てるような似てないような……」
「そもそも言語ではコンチェルト・エンジェルって呼ばないけどな」
「ぎゃふん」
オマケIII §
「だから古代は戦隊のレッドでは無くピンクに近いのだね」
「うむ」
「でもレッドだと解釈すると2199の古代が産まれると」
「そうだな」
「でも最近の戦隊はイエローの女性もいるよ」
「だからヤマトのイエローは森雪。黄色い制服だから」
「ぎゃふん」
オマケエンジェル隊 §
「ギャラクシーエンジェル隊ネタで古代を使うのは間違って無かったようだぞ」
「まさか」
「これを見ろ」
ギャラクシーエンジェル (アニメ)より
「ギャラクシーエンジェル隊」は、トランスバール皇国近衛軍に属する特殊部隊である。その任務は、古代文明が残した科学技術「ロストテクノロジー」の回収なのだが
「ギャラクシーエンジェルの説明に本当に古代って書いてある!」